放射線測定機器

空間線量率計

空間線量率計は、ガンマ線による線量率を測定します。測定器にはNal(Tl)シンチレーション検出器を用いた低線量率計と電離箱検出器を用いた高線量率計の2種類があります。2種類の測定器を併用することで、広範囲にわたる線量率の測定が可能です。

低線量率計(Nal(Tl)シンチレーション検出器)

ガンマ線がNal(Tl)結晶に入ると、ガンマ線のエネルギーに比例して蛍光(シンチレーション)を発生します。
この光を光電子増倍管で電気信号に変換します。この検出器では、線量率のほかにガンマ線のエネルギーに関する情報を得られるため、シングルチャンネル波高分析器(SCA)を付属させてエネルギー別の解析を行うことができます。

高線量率計(電離箱検出器)

ガンマ線が電離箱に入ると、検出器内部に加圧して封入されたアルゴンが電離され、電気信号に変換されます。高エネルギーである宇宙線も測定するため、線量率が低いレベルのとき、低線量率計よりも高い値を示すことがあります。

ダスト・ヨウ素モニタ

大気中の微粒子などを集じんして、アルファ線やベータ線、ガンマ線の測定を行う装置です。

ダストモニタ

ろ紙に集じんして、アルファ線・ベータ線を測定します。検出器にはZnS(Ag)+プラスチックシンチレーション検出器を使用しています。大気中の全アルファ濃度・全ベータ濃度を監視しています。

ヨウ素モニタ

活性炭カートリッジに集じんして、ヨウ素131が放出するガンマ線の測定をします。検出器にはNal(Tl)シンチレーション検出器を用います。大気中の放射性ヨウ素を監視しています。

気象観測装置

雨量計

0.1mm、または、0.5mmの雨量が受水口に入るごとに、転倒マスが転倒し、電気信号に変換します。

感雨計

直径0.5mm以上の雨滴が付着すると、電極間に電流が流れることで雨を感知します。

風向・風速計

スタンド上部の垂直尾翼によって風圧が最小になる方向である風向を検出します。また前部プロペラの回転数から風速を調べます。

日射計

白黒両板を中心から放射状に配置し、両者の温度差から輻射エネルギーを測定します。

放射収支計

上下2枚の受熱盤を地表に水平に設置し、入射した輻射エネルギーと地表から反射したエネルギー差を温度差としてとらえ、放射収支量を求めます。